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2009年11月05日

1985年の奇跡/五十嵐 貴久

1985年の奇跡/五十嵐 貴久

おニャン子に夢中だったあの頃。僕らの弱小高校野球部にスゴイ奴がやってきた!
「夕やけニャンニャン」を見ること以外何のヤル気もない僕らが、アイツのおかげでひょっとしたら甲子園に行けるかも!ってマジ!?
--山あり谷ありでページをめくる手が止まらなくなる青春小説の傑作だ!!


時代はタイトルのとおり1985年、アイドル路線全盛期。
進学校の落ちこぼれ集団野球部はおにゃん子クラブに夢中、毎日適当にキャッチボールしては5時には「夕やけニャンニャン」を見るだけの生活。
二年生になった頃、突然、中学の頃からエースを務めていた沢渡が転校して来た。
落ちこぼれの俺らでもアイツのおかげで甲子園に行けるかも知れない――。

夕やけニャンニャン、見てましたよ。
ちょうど中学入ったばかりだったなぁ。
私は石橋貴明のファンでしたがね、おにゃん子は「高井麻巳子」が好きだったな(笑)
なんだ?この時代?(笑)
今も若者はモー娘。とかAKIBAとかそういうのに普通に夢中になってたりするのだろうか?
周りに10代の子がいないからさっぱり分からん。
とりあえず、1985年、そんな誰もがアイドルに夢中になっていた時代。

ただただ、沢渡の活躍だけで、何の苦も無く勝ってしまう初戦。
自分たちは何の努力もせずに甲子園に行けるかも知れない、彼らは自然に思ってしまう。
しかし、沢渡には秘密があった。
その秘密を相手校にヤジられ、エースは心を乱され、ピッチングが出来なくなってしまう。

ま、紆余曲折あるが、野球部員は立ち上がり、自分たちも努力を覚え、練習に打ち込む。
校長先生の目をくらませながら。
エース沢渡の登場を待ちながら、例の相手校との試合に臨む――。
って簡単に書くとそうなるんですけど(笑)
まとめると確かにありふれた話ではあるのですが、おにゃん子がモロ時代を彷彿させてくれたのが上手く絡み合って面白かったです。どうせならK・Kコンビも書いて欲しかった!!私は清原ファン。
全校生徒が応援に来て、学校中に垂れ幕を下ろすんですけど、「沢渡さん、好きです」と勝手な告白だとか、「負けてもいいとも!!」「闘魂!アントニオ猪木」だとか、極めつけは「初日の出」なんてふざけた垂れ幕があったり(笑)何?このセンス!

しかも、前回は相手校から「オカマ」コールで打ち砕かれたのに、今度は自校が「オカマ」とヤジを飛ばす、いいじゃん、ホモでもさー、という暖かさがまじったコールだった。
そして読者の期待を裏切らず、沢渡はエースとして投げぬき、皆も以前とは違う実力で相手校を下すのだった、ワハハハハハ。

肩のこらない青春小説。
30代~40代には堪らないこと請け合いでした。
その後のおにゃん子をつい、ググってしまう始末(笑)
オススメ星★★★☆


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Posted by いくモグロ at 02:16│Comments(0)五十嵐 貴久
 
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