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2009年10月14日

交渉人/五十嵐貴久

交渉人/五十嵐貴久

救急病院の患者を人質に立てこもる三人組。対する警視庁は500人体制で周囲を固めた。そして犯人グループとの駆け引きは特殊捜査班のエース、アメリカFBI仕込みの凄腕交渉人!思い通りに犯人を誘導し、懐柔してゆく手腕が冴え渡る。解決間近と思われた事件だが、現金受け渡しの時から何かが狂う。どこで間違ったのか。彼らは何者なのか…。

五十嵐さんの本を勧められて、積ん読書から取り出したのがこの「交渉人」。
ハリウッド映画や、浦沢直樹さんの「マスターキートン」で見て、テーマに興味があったので。
(だったら、積ん読しておくなよ・・)

さてさて、コンビニ強盗を働いた三人組が、深夜の病院で50人の患者を人質に立て篭もることになった。
警視庁屈指の敏腕ネゴシエーター:石田警視正が到着するまで、現場を仕切る要員として指名されたのが主人公:遠野麻衣子。
2年前まで石田の下で交渉人としての研修を学び、優秀な成績を収めているにもかかわらず、根も葉もない中傷で経理課へ移動させられていた経緯を持つ。
麻衣子は500人体制の中、指揮を取り、完璧な対応で犯人に盗聴器付の携帯電話を渡すことに成功する。
そこで石田警視正の登場である。
石田は、犯人の要求に全て応えるように見せかけつつも、狙い通りに犯人を懐柔し、誘導してゆく。面白いくらいに。
さすが、「今まで一度も犯人との交渉において、間違った判断はしたことが無い」と評価されているというだけある。
もうね、格好いいんだ、これが。私ってこういうヒーロー的なものに弱いんだよな。

ただ、一つ解せないのが、人質の優先順位だ。
一刻も早く透析が必要な重症患者から、先に開放するように要求するべきじゃないのかな、と違和感があった。
とはいえ、数人は残ったものの、殆どの人質が解放され、犯人の逃走と警察の追跡が始まった。(ここでも透析患者のことは記載が無い・・)
現金にも、用意したオートバイにも発信機は付いているし、バイク、覆面車、ヘリコプターと400人規模の警察が犯人を追う。
どうやって犯人を捕まえるのかがポイントだと思ったんだよね。
人質の一人が犯人だと思ったし、石田が失敗するはずが無い。
ところが、ここで犠牲者が発見されてしまう。
逃走金は置き捨てられ、病院の金庫も空けられているのにもかかわらず、現金には手をつけていない。
犯人の目的は、現金と自己保身では無かったのか――?
謎の男の正体は――?

医者と看護士を殺害したことから、医療ミスが関わっているのかな、と薄々感じたものの、まさかの展開で面白かった。
スピード感抜群、サスペンスさながらの緊迫感がスリル満点でした。

・・・いくつかは疑問点が残る部分もある。
アトピー患者を乗せた時点で、確か人質はいくらか解放されたはずだった。
ということは、病院内にその患者は残ってたのだろうか?
あれだけの人数が追走していて、トンネル内に何故、警察が誰も入らなかったのだろう。
だが、その不完全燃焼を含めても面白かった!!
続編を頂きましたので、これから読みます。
これから、五十嵐さん三昧になりそうです。Iさん、ありがとうございました m(_ _)m

オススメ星★★★★


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Posted by いくモグロ at 00:31│Comments(0)五十嵐 貴久
 
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