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2009年10月27日

RIKA/五十嵐貴久

RIKA/五十嵐貴久

本間隆雄は妻子を愛する、42歳のごく平凡なサラリーマン。軽い気持ちで始めたインターネットの「出会いサイト」でのナンパで、ある日「リカ」と名乗る女性と知り合う。当初はリカからのメールを楽しみにしていたが、徐々に常軌を逸していくリカの言動に脅えた本間は、携帯の番号を変え、連絡を断った。ほとぼりも冷めた頃、インターネットカフェを訪れた本間は、リカがネットを通じて異常な執念で彼を捜していることを知る。
そしてリカの恐るべきストーキングが始まり、ついには娘にまで手を出した。
意を決した本間は、“怪物”と化したリカと対決するが…。恐ろしすぎる心の闇。
衝撃のノンストップホラー!第2回ホラーサスペンス大賞大賞受賞作。


第二回ホラーサスペンス大賞受賞作品。
いわゆるストーカーもの。
言葉が通じないってのがもう怖い。
逢ったこともない男性にそこまで、と思うのだが、そういうレベルじゃない。
万が一、(彼女の外見から考えると難しいけど)お付き合いがあったとしても、常軌を逸したこの執拗さ。
何故、そこまで自分の思うように脳内変換出来るのだろう・・・。

内容は、望月峯太郎の「座敷女」とそっくりではある。
スレンダーで高身長、黒髪のロングヘアー、どんなにダメージを受けても、死なない怪物的な存在。
でも、これはこういう女性をイメージすれば安易に到達するレベルの偶然さではあるだろうけど。
不倫的要素ではハリウッド映画の「危険な情事」か。

文字で読むからだろうか、それとも殺人まで犯しているその内容の陰湿さだからだろうか?
本書のほうがより、「リカ」という存在が怪物としてイメージされた。
だが、現実味に薄れる。
文庫本にしかない追加エピローグが、私は余計だったと思う。
あれが、私はしらけてしまったかな、恐怖感はより煽るような形にはなったが。

しかし、あのスピードのあるストーリー展開と背筋の凍るような恐怖感は凄かった。
リカが怪物になってしまう背景の記述があれば、もっとリアリティが増して面白かったんじゃないかな。

それにしても怖いな。
例えば、誰かを殺したいと思う殺人願望を持った人がいるとする。
出逢い系サイトなんて無法地帯じゃないか。
こう考えさせられると、「ちょっとした刺激」のリスクが「死」に向かうことも無きにしも非ず、と言えてしまうのだから。

オススメ星★★★☆


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Posted by いくモグロ at 02:49│Comments(0)五十嵐 貴久
 
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