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2009年11月20日

グレイヴディッガー/高野和明

グレイヴディッガー/高野和明

中世の魔女裁判期に登場した殺人鬼「グレイヴディッガー(=墓堀人)」をまねた大量殺人事件が発生した。煮えたぎった浴槽に浮かぶ変死体。偶然にもそれを発見してしまった主人公・八神は、謎の集団に追われることになる。今までの悪行をかえりみて挑もうとしている、人生初の人助け「骨髄提供」を全うするため、八神は逃げる。カルト集団や公安警察の手をかいくぐっての逃亡劇。はたして無事病院にたどり着けるのか…。

小さな時から悪事を重ねてきた八神俊彦だが、悪事から足を洗うために骨髄ドナーに登録し、生まれて初めて人助けをしようと考えていた。
適合患者が見つかり、いよいよ骨髄を提供することが決まった八神は入院前に友人宅へ訪れた。
そこで友人の死体を発見してしまう。
数人の男に押し入られ、異常な事態を察した八神は、ベランダから逃げ出したが、行く先々で警察や犯人の一味と思われる連中に追われることになる。
明日までに病院に到着しなければ、骨髄移植が間に合わない。
警察に終われ、正体不明の人間に追われ、タイムリミットは半日足らず。
八神の逃走中にも次々に行われる連続殺人事件。
殺人事件の真相は?八神は移植時間まで間に合うのか?

面白かった~~~~。
これまた一気読み。
物凄いスピード感溢れるストーリーで心臓がバクバクしっぱなしでした。
デビュー作の「13階段」が面白かったのですが、どちらも時間制限があるので緊迫感が凄かった!!
今回は小悪党の八神が人助けのために逃亡劇を繰り広げるのですが、キャラが前回より魅力的だった。
そのなかでショッカーのように次々に現れる謎の集団、猟奇的連続殺人事件、執拗な警察!!
解説で「もし途中でやめられる人がいるのなら見てみたい」という言葉どおり、これでもか!というほどの急展開が怒涛のごとく八神に訪れる。

もちろん、突っ込みどころはいくらでもある。
殺人犯で手配されているのに、病院は受け入れてくれるのか?
「半落ち」であったように、骨髄移植は一生に一回だけではないはずだし、これだけ何万分の一といわれている確立で同時期に同じ適応者が現れる偶然。
いくら命の恩人だからといって、そこまで殺人を続けるものなのか?
選挙のためとはいえ、相手の失脚に殺人事件まで犯す必要は無かったのではないか?

なんていくらでも探せばもっと出てくるのだろうが、そんなことはどうでも良かった!
この手に汗握る展開、臨場感が目を離せなくて最高に面白かった!
八神だけでなく、警察の人たちも魅力的でキャラも良かったし、何よりも人助けのために走るっていうのがいいじゃない。
途中で岡田女医に疑惑が持たれたり、逆転に次ぐ逆転。
何度も窮地に陥るが、古寺刑事がいうように天才的な逃げ足を発揮する八神が格好いんだ、これが。
八神が間に合って本当に良かった・・。
スリル&サスペンス&アクション&ハードボイルド・・盛り沢山の一冊。オススメです。


※本書のタイトルにもある「グレイヴディッガー」
作者の創作ってのが、また驚きました、脱帽です。

オススメ星★★★★☆


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Posted by いくモグロ at 03:25│Comments(0)高野和明
 
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